記録のセキュリティ対策

カウンセリングでは、面接の記録をしっかりと保存しておくことが大切です。毎回、クライエントさんがいらっしゃる前に、今までの記録を読み返して、しっかりと振り返っておくためにも必要です。

また、いったん終結した後に、何年かたってから改めて相談を利用する方もいらっしゃいます。そういうときにも、今までの記録を読み返すことが大切です。

当然のことですが、記録をきちんとつけることは、倫理的にも大切なことです。

こんなふうに、カウンセリングの記録を残しておくことは非常に大切なのですが、保存した記録はまさに個人情報の塊ですので外部に流出しないようなセキュリティ対策が求められます。

データのセキュリティ対策

ほとんどのカウンセラーが電子ファイルで記録を残しているのと思います。カウンセリング中に手書きでメモしても、それを改めてパソコンに打ち込んで記録として保存する場合が多いかもしれません。デジタルデータは検索が容易ですので、紙に手書きの記録を残しておくよりも便利です。また、面接後に、メモから記録を打ち込むことは、面接を振り返ることにもなってプラス面が多いと思います。

しかし、デジタルデータは、いったん流出してしまうと取り返しがつきません。また、ランサムウェアによってファイルがロックされてしまうと、大変大きな損害を被ってしまうことになります。こういったことがあるため、セキュリティ対策は極めて大切です。

基本的なセキュリティ対策としては次のようなことが大切です。

  • OSやソフトは常に最新の状態にアップデートする
  • セキュリティ対策のソフトを使用し最新状態に保つ
  • パソコンのログイン時にパスワードを入力するようにしておく
  • 不審なメールや不審なファイルは開かない

こういった対策をした上で、どのように記録のセキュリティ対策を行うことが求められるか考えて行きます。

  • パソコンにファイルを保存する場合
  • USBドライブにファイルを保存する場合
  • クラウド上にファイルを保存する場合

という、いくつかのパターンで考えて行きます。

パソコンにファイルを保存する場合

 パソコンは、ある程度高価な物ですので、空き巣が入った場合には、盗まれてしまう可能性があります。そのため、パソコンにファイルを保存する場合は、盗難のリスクに備えることが必要です。また、ランサムウェアに感染してしまうことも対策すべきリスクだと言えます。

 パソコンのパスワードがあってパソコンが起動できなくても、USBから別のOSで起動しハードディスクにアクセスすることができます。また、ハードディスクを取り外して、別のパソコンからハードディスクにアクセスすることができます。そのため、パソコンの起動時のパスワードだけでは、十分なセキュリティ対策ではありません。

 記録のファイルそのものに、パスワードをかけておけば盗難にあった際にも記録内容が漏れることを防止することができます。ファイルにパスワードをかけることは良い方法だと思います。ただし、この場合は、毎回パスワードの入力を行わなければなりません。それが面倒に感じるかもしれません。そういった場合には、フォルダごと暗号化できるソフトを活用することも一つの方法です。

 こんなふうに記録のファイルに対してセキュリティ対策を行っておけば、万一、パソコンが盗難にあっても一応は安心です。しかし、ランサムウェアに感染したときには、ファイルを開けなくなってしまうリスクがあります。その対策としてはUSBメモリーにバックアップを取っておくことが良い方法です。ただ、USBメモリーにも、紛失や盗難のリスクがあります。そのため、パスワードで保護されているUSBメモリーを使うのが安心だと思います。

USBメモリーにファイルを保存する場合

 パソコン内には記録を保存せず、USBメモリーに保存する方法もあります。パソコンは盗難に合いやすいですが、USBメモリーは目立たない場所に保管しておけば、盗難のリスクは低くなります。パスワードで保護できるUSBメモリーを使ってそこに保存し、パソコンとは違った場所に隠して保管することが良いと思います。また、同様にバックアップもパスワードで保護できるUSBメモリーに行い、また別の場所に保管しておくことが大切です。

 また、USBメモリーというパソコンとは別の場所にファイルが保管されていますので、ランサムウェアの被害に遭いにくくなります。 

クラウド上にファイルを保存する場合

 クラウドサービスを利用している人も多いかもしれません。クラウドサービスはセキュリティ対策が行われているので、一定の安全対策は行われています。ただ、無料プランで使っている場合には万全とは行かないかもしれません。サービス内容をよく確認することが大切です。

 ただ、クラウドサービスで保存しているファイルもランサムウェアによって暗号化されるリスクがあるようです。やはり、パスワードで保護できるUSBメモリーを準備して、バックアップを取っておくことが大切だと思います。

 また、スマホのアカウントとクラウドサービスがリンクしている人も多いかもしれません。スマホを紛失したときに、データ流出のリスクが生じます。スマホとはクラウドサービスをリンクさせておかないことが良いと思います。

パスワードで保護されたUSBメモリー

タイトルとURLをコピーしました